ある板金加工事業者での技能実習生と日本人従業員の関係

 現在19名の社員を抱える板金加工事業者での話です。当社は、2010年から外国人を採用しており、ベトナム人外国人実習生を受け入れたのは3年前のことでした。

19名中、外国人は7名、国別ではブラジル人3名、ベトナム人3名、スリランカ人1名と外国人の比率は全体の30%を超えています。

当社は創業73年の老舗企業で、折り曲げ部門では78歳のベテラン社員が働いており、。折り曲げ部門には、先ほどのベテラン社員ともう1名43歳のスタッフ、ブラジル人とベトナム人実習生が所属しています。

 ベテラン職人はご多分に漏れず職人気質で、日本人の後輩にも仕事を教えないタイプです。よって、機械の操作をはじめ、経験や勘、ノウハウも教えることがありません。来日しばかりの実習生は、言葉もあまり通じないので、余計に教えるのを面倒に思っています。

直に経営者が教えるように依頼しても従わないため、実習生の技術が高まらず、その上日本語での会話も少ないため、経営者も実習生も困っています。

また、他の日本人従業員も積極的に外国人や実習生に関わることはなく、外国人はそれぞれの国ごとに分かれて休憩したり、食事をしたりして、日本人とのコミュニケーションは取れていません。

 幸いなことに、3名のベトナム人はそれぞれ1年に1名が来日しており、3年目の先輩は、後輩2人の日本語の先生となり、休憩中や仕事の後に日本語を教えているので、後輩の日本語能力は来日時より向上しています。また、日本人従業員と後輩実習生の間に入って通訳の役割も担っており、会社にとっても非常にありがたい存在になっています。

 しかし、3年の実習期間が到来すると日本語能力が堪能な先輩実習生は帰国しなければなりません。そのため、当社のベトナム人実習生の日本語能力は低下していくことが考えられます。本コラムから、外国人実習生とのコミュニケーションを増やす、組織的な仕組みの必要性が伝わったことでしょう。

 昨年から技能実習3号の制度が追加され、実習期間が3年から5年に延長されました。当社では、先輩実習生に残ってもらうため、技能検定2級の実技試験に合格するための支援をしていくようです。

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