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執筆者の写真中嶋 周

お金へのこだわりと無頓着の共存

 ベトナムの国土は南北に1650km、首都ハノイ(河内)は亜熱帯地域で四季があり、ホーチミン(胡志明)は熱帯地域で年中夏です。距離は約1500Kmで約30数時間かかる鉄道(もっとも列車で移動する外国人は極少ですが)で結ばれています。 現在は航空網が整備されており直ぐには遠距離鉄道敷設はなさそうですが、2011年より両都市で都市鉄道の計画があり、コロナ禍前に来越したとき鉄道工事真っ盛りでした。 そしてハノイでは全長13Kmの路線が今年11月6日に開業しました。

 ところがホーチミンでは2021年の開業予定が2年先送りになっています。これは事業費が予算超過し、補正予算国会が進まず、予算との乖離責任所在も不明で、金銭面で政府が打開策を講じられず、外国ゼネコンへの未払いが生じているから、と報じられています。

 (2021年10月6日 日本経済新聞より)


 一方、市民生活では50年前のベトナム戦争時、北は食糧難でも南のサイゴン(西貢、現ホーチミン)にはさらに南の常夏地域から毎日果物や野菜が運ばれ食には困らなかったと言われています。そんな環境から貯金などはあまりせず、貸してもらうことには積極的で返すことには無頓着という気質ができたように感じています。 ベトナム国民のこんなところは政府の未払いも含めて、風土、気候、人との関わり方などが起因しているようです。


 事業者様は技能実習生に技術習得してもらうことを一番の目的にされていますが、根底では一所懸命働いて給金をもらい、来日までの準備コストを回収し、すなわち借入金を返済し、家族のために貯金し、将来設計の資金にしてもらいたいとも望まれています。このようなストーリで帰国した実習生もいますが、志半ばしてお金に苦労した人もいます。 そういう意味で実習生へのお金の面の教育や指導はキーポイントであると思っています。

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