制度導入に向けた旅館の課業管理(2)

更新日:8月22日


 宿泊業での技能実習導入時に考慮すべき課業管理という点では、特に生産性向上の観点から『課業分解』が必須です。仕事を機能別・目的別に合理的な単位とした「課業=タスク」を更に細分化する概念を「課業分解」といいます。例えば宿泊業には「客室清掃」という課業(タスク)があります。そしてこの課業は「忘れ物点検」「備品チェック」「電化製品の稼働チェック」「清掃」「アメニティ設置」「最終チェック」という更に細かい課業に分解されます。これが課業分解です。これら課業の一つひとつを分析・評価して「難易度」「品質不良となった際の事業への影響」などから「どの仕事から実習生に教えるか(担当させるのか)」を生産性向上の視点も踏まえて計画化することが、課業分解を用いた課業管理です。

 客室清掃の例で言えば、これが本来2人1組で行う仕事で、複数の実習生を受け入れた場合、まずは教育を担う日本人熟練スタッフと実習生が2人1組で取り組み、ある程度習得が進んだ段階から、実習生同志で組んで行い最終チェックだけ日本人スタッフが行う体制に移行します。もちろん実習生同志の体制に移行したスタート期間は、2人の役割分担や作業の正しくスムーズな流れやスピードなどの指導も必要です。そしてある程度任せられる段階に入れば最終チェックまでの時間、日本人スタッフは別の熟練が必要な業務に取り組めますからトータルでの組織としての生産性は高まることになります。

 この通り実習生に仕事を教える(任せる)手順は、普段、職場での課業管理で扱われている単位だけではなく更に細分化して検討することで、生産性の高い実習の実現につながります。

 最後に誤解を招かないために申し添えますが、ここでの生産性向上とは、継続可能な技能実習受入体制の確立、換言すると実習生と企業との「Win-Win関係」づくりの方向性を述べています。技能実習計画策定の際に盛り込む一つの視点として捉えていただくことが適当でしょう。

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