技能実習制度の歴史的背景

 令和2年10月末の外国人雇用数は、172万人と過去最大となりました。一方で新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、中国人を中心とする農業分野の技能実習生約1,000人の来日が遅れていることも判明しています。野菜や果物の収穫作業などに当たり、生産現場の戦力として定着している実習生の不在が続けば、出荷に影響が出かねない状況です。また、イギリスでは労働人口の高齢化に加えて、昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大、外国人労働者の英国離れが人手不足に拍車を掛けており、トラック運転手不足から給油スタンドへのガソリン供給が滞り、各地の給油所に長蛇の車の列が出現しています。このようにアフターコロナにおいては急激な人出不足も懸念されるところです。

 歴史を紐解くと我が国もかつては「送り出し国」だったことをご存じでしょうか。戦前の移民の大きな潮流は①経済的合理性から行われた移民(ハワイ、北米、南米等への移民)と②領土的野心として行われた移民(外地、満州)がありました。1868 年(明治元年)から 1907 年頃までがハワイ移民の全盛期、 1920 年頃から1935 年頃までが南米への移民の全盛期、 1936 年移行終戦までが領土的な野心による移民の全盛期でした。つまり明治元年頃から戦後初期まで、日本は労働者の送出国だったのです。

 領土的野心は別として、グローバルな目線からは、それぞれの国家の経済発展に欠かせないものであったことがわかります。技能実習法1条では「技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進することを目的とする」とあります。今後のグローバル経済は複雑化、多様化の時代といえるでしょう。その基本は「必要な時に必要な人を必要な場所で」となることでしょう。地域における観光資源の磨上げ(高付加価値化)や新たなコンテンツの造成は、観光業の生産性向上ややがて来たるインバウンド誘客の復活に向けて不可欠となります。アフターコロナを見据え、ベトナム技能実習生を効果的に経営に活かしていくことがひとつの有効な手段となっていくことでしょう。

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