採用面接は真剣勝負
- 大越 峡士郎
- 6月14日
- 読了時間: 2分
先日、採用面接に同席する機会がありました。依頼主は今回初めて技能実習生を採用する企業で、インドネシアの志願者10名から3名を選抜する面接でした。
諸々の事情からZoomを用いたオンラインでの面接となり、1人当たり10分程度の限られた時間で、志願者の能力や適性、人となり等を総合的に見て判断を下す必要がありました。日本人相手でも困難な条件なのですが、外国人相手となるとなおさら難しくなります。しかも相手はこれから3年間を遠い異国の日本で、それこそ人生を懸けて頑張ろうという若者ばかりです。こちらも真剣にならざるを得ません。
具体的には、履歴書やAT(Adaptation Test:異国・異文化の地である日本における「適応能力」の高さを判定するもの)の評価結果や、クレペリン検査(就職試験の適性検査でも使用されている、計算力や事務処理能力、注意力などを測る検査)の結果、数学の学力テストの結果なども参考にしながら、質疑を繰り返します。ときに日本で行ってみたい場所や趣味などの話題で緊張をほぐしつつ、受け答えの態度や表情を見極め、候補者を絞っていきます。参照する情報が非常に多く、迷子になりそうになりますが、どこに重きを置くかは業種や企業文化によっても違ってくるため、事前にある程度期待する実習生の人物像をもって面接に臨んだ方が良いでしょう。
また、履歴書の記載項目は、作成する送り出し機関によって多少の違いはあるとは思いますが、学歴や職歴はもちろん、月収や家族構成とそれぞれの職業や収入、身長や体重、体力テスト結果、喫煙・飲酒の有無、宗教、など多岐にわたり、我々のイメージする履歴書とはかなり違います。しかし双方にとって不幸なミスマッチを避けるためには、必要な情報であることも確かです。
なお履歴書の最後には「将来の目標」という項目があり、多くの志願者が「(衣料品や食料品などの)お店を始めたい」「今の家業を拡大したい」といったビジネスに関する計画や、「家を建てたい」「田んぼを買いたい」といった資産所有に関する希望が多く見られました。また、その頭に「家族のため」「両親のため」との記載が多かったのが印象に残りました。
今回採用が決まった3名はもちろん、来日を希望してくれている若者たちが目標に向かって真っすぐに進んでいけるよう、組合としても全力でサポートしていきたいと思います。
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