補助金申請における事業計画書作成のコツ<前編>
今回のコラムから2回に分けて補助金申請時に提出する事業計画書作成のコツをお話しします。事業計画書は専門家によって審査され、補助金の採択、不採択が決まります。つまり事業計画書の出来が採択を決めます。出来の良い事業計画書を作るにはいくつかのコツがありますがそれをお伝えします。
1)補助金事業の目的、要件に適合していること
当然ですが目的や要件に適合していることが大前提です。補助金の目的を理解していないと的外れな事業計画書になります。下記は現在公募中の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の目的です。
「中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援します。」
このように生産性を向上させる取り組みであることが明記されています。単純な設備更新では生産性の向上にはなかなかつながりません。生産工程の見直し、新たな製造方法の導入などを伴う設備投資を検討する必要があります。
2)小見出しを用いる
補助金は審査項目が公募要領に明示されており、審査員は審査項目毎に採点します。審査項目ごとの小見出しをつけて記述すると審査員は審査項目を素早く探しだすことができます。また事業計画書を作成する側にとっても審査項目をすべて書き出し、小見出しにしておくことで記述漏れを防ぐことができます。「小見出し」は審査する側、作成する側双方にメリットがあります。
審査項目に記述漏れがある、書いてあったとしても探し出せない場合、最悪その項目は採点されません。
3)字数制限や枚数制限は守る
補助金を申請するときに事業計画名や概要なども記述しますが字数が指定されています。例えば「ものづくり補助金」では事業計画名を30字以内、事業計画の概要を100字以内、また事業計画書の枚数も10ページ以内と指定されています。指定された事項を守ることで審査員に良い印象を持ってもらうことができます。
4)一貫性のあるストーリー
ストーリーに一貫性があると事業計画書の目的、意図を分かりやすく確実に審査員に伝えることができます。ものづくり補助金をはじめとする補助金の審査項目は多岐にわたるため一貫性を意識して記述しないと内容がぶれてきます。そうなると非常に分かりにくい、読みにくい、何を伝えたいのか意味不明の事業計画書になってしまいます。
事業計画書の作成に慣れていない方は、得てしてストーリーにあまり関係のない内容をたくさん記述してしまいます。それは審査員を混乱させることになり理解しにくい事業計画書と認識され採点も良くありません。
後編に続く
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