日本農業の労働力不足の現状
現在、人手不足が社会問題となっていますが、特に農業分野では、高齢化や担い手不足が深刻化しており、他産業と比べても人手不足の状況が顕著になっています。以前に比べると、農業における労働環境は改善されてきていますし、従業員の満足度を高めることに取り組んでいる経営者も増えたと感じますが、他業界に比べると、相対的に選ばれにくい状況であることは否めません。
また、農家の平均年齢は年々上昇し、2023年には68.7歳となりました。新規就農者の減少や農家の後継者不足が相まって、今後さらに人材不足が深刻化すると予想されています。たとえば、現在、基幹的農業従事者数は116万人(2023年)ですが、2040年頃までには約35万人まで減少するとの予測があります。
このような状況を踏まえますと、日本の農業が安定的に生産を続け、国内の食料供給を維持・拡大していくためには、早急に農業従事者を確保・育成する必要があります。しかし、高齢化の加速や若年層の就農離れなどを考えると、日本人だけでこれらの人材をまかなうことは難しく、将来的に農業サービスや生産量が十分に維持できない恐れがあります。そのため、今後は外国からの人材を積極的に受け入れていく必要性が高まってくると考えられます。
一方、現在、既に外国人材を受け入れている農業事業者や農業法人に伺うと、外国人材はとても貴重な存在であり、日本人のパート・アルバイトの皆さんに対して大変良い手本となっていると聞きます。仕事に対する姿勢もまじめな方が多いですし、そもそも、お子さんなど家族の病気等による、急な休みや遅刻早退が発生しにくいという意味でも、戦力として頼りになると経営者は考えているようです。もちろん、文化や風習の違い、受入れ体制の整備など、対応に迫られる課題が発生します。それでも、中長期で考えるとメリットが多いと感じる経営者は、今後もますます増えてくるのではないでしょうか。
日本農業の労働力不足の現状について
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