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生産管理のD(Delivery)/納期・時間の感覚

 生産管理のキーワード「PQCD/SME」の<D:納期>に焦点を当ててみます。


「納期」という言葉をみますと、製造業では「納期応答」「納期順守(率)」「納期遅延(率)」などがあります。接客業でも食材の時間通りの納入や部材調達から出てきたジャストインタイムなどの言葉もあり、日本の企業が大切にしているのが時間感覚だと思います。


 そこで今回は「時間を守る」について考えてみます。日本人は他国の人に比べ時間を守ると言われているようですが、明治初期に訪日した西欧技術者は時間を守らない日本人の悠長さに呆れたといいます。江戸時代まで「今、何どき?」という2時間単位の時間感覚(間隔)であり、既に「分」単位で動いていた外国の技術者は閉口したのでしょう。大正時代には工場で遅刻者が横行し、政府は「時の記念日」を制定して時間感覚を改善して行ったそうです。 戦後の昭和ではものづくりで生きて行く必要のあった日本は、自動車業界などが「時」を重要な要素にし「価値」にして行きました。そんな歴史を経て現在私たちは会議などで遅刻はせずそれを基本ルールと考え、時間にルーズな人は信頼を得られない社会になっています。 


 技能実習生の母国ベトナムでの私の勤務経験では、オフィシャルな行政の集まりでも役人でさえ時間通りには集まりませんでした。 これはベトナムの人にとって時間を守らないことが相互の信頼関係悪化の要素ではないからです。「時」は「価値」ではなく、「自分自身、家族、先生、誕生日」などが対象となる「価値」で、それらとの関係が「いつ起きるか」は大きな要素ではないからだと考えます。それらを踏まえた上で、技能実習生が所属する企業で貢献するためには、「時」が信頼関係を生む「価値」であることを丁寧に教え、知ってもらうことが大切かと思います。もともと日本人も時間に悠長だったわけですから。

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